ISISは1月31日、2番目の日本人人質となるGoto Kenji(後藤健二)の殺害ビデオを公開したが、インターネットでは早くもこのビデオが撮影されたのは、シリア北部にあるQarah Qawzaq Bridge(クアラ・クアワザク橋)の南岸にある渓谷部分ではないかとする指摘が飛び交うなどビデオの分析が始まっている。
ネット上で指摘されているポイントは正にISISの占領地域ということとなるが、地図の上からは、幹線道路からは左程離れたところとは言えず、仮にこの指摘が正しいとなるとISISの処刑人「Jihadi John」は西側の情報機関に対してその消息の手がかりを教えるかなり大胆な行動を取ったこととなる。
ただし、その一方で、Jihadi Johnがこれまでに公開してきた処刑ビデオに関しては、かなり高度な改ざんが加えられた可能性があることが指摘されるなど、疑問点も多く見つかっている。
まず考えられることは、殺害予告ビデオを含めて、野外で撮影されたISISのビデオの全ては、CG合成されたものであるという可能性となる。
Jihadi Johnによるビデオは全てカメラは固定した状態で、そして人質およびJihadi Johnも大きくは動かない形で撮影されている。カメラから見た背景は常に固定されているのである。
こうした特徴の多くは、これらのビデオはCG合成の容易性を考慮して慎重に作られた可能性を示唆するものとなるだろう。
Goto Kenjiのニュースに隠れて大きくは報道されはしなかったが先月末、ISISはその戦闘員に対して、米軍のUAVや監視網から逃れるための一連のカモフラージュ法に関わるビデオを制作して配布していたことが明らかとなった。
つまり、ISISは予め、人質用のビデオで使用する郊外の模様の映像を多く撮りためており、人質ビデオではこれらの予め撮影しておいた背景ビデオと合成を行うことで、公開用の人質ビデオを製作している可能性がある。
今回、Jihadi Johnが場所の特定につながる証拠をわざわざビデオに残したということは、つまるところそれ自体がISISによる陽動作戦かもしれないのだ。
http://www.businessnewsline.com/news/201502020618090000.html